初めての妊娠はとても喜ばしい一方で、体が急激に変化し、様々な不快な症状が現れる時期でもあります。
その中でも「つわり」は、多くの妊婦さんが経験する最も辛い症状のひとつですよね。
この記事では、つわりに悩んでいる方に向けて、少しでも楽に過ごすためのヒントや対処法をご紹介します。
妊娠初期のつわりとは?原因と症状を知ろう
妊娠初期のつわりとは、妊娠した女性の多くが感じる体の変化のひとつです。特に「気持ち悪い」「吐き気がする」「食べ物が食べられない」といった症状がよく見られます。
なぜこの時期につわりが起こるかというと、体の中で赤ちゃんを育てる準備が始まるからです。ホルモンのバランスが変わることで、体調が急に変わることがあります。これが、つわりの大きな原因と考えられています。
つわりの特徴は人それぞれ違いますが、よくある症状には次のようなものがあります。
- においに敏感になる
- 食べ物の好みが急に変わる
- 吐き気やおう吐が続く
- 食べたくても食べられない
- とても疲れやすくなる
このように、妊娠初期のつわりは体と心に大きな変化をもたらします。まずは「自分だけじゃない」と知ることが、安心につながる第一歩です。
つわりが起きる時期と続く期間
つわりが始まるのは、妊娠してからわりと早い時期です。多くの人が妊娠5週目から感じ始め、12週目ごろまで続くと言われています。
この時期はちょうど、赤ちゃんの大事な部分が作られていく大切なタイミングです。そのため、体ががんばって赤ちゃんを守ろうとして、ホルモンの動きが活発になります。
つわりの続く期間や重さには、かなり個人差があります。
実際には、
- 早くて4週目から始まる人もいる
- 12週で終わる人が多いが、16週くらいまで続くことも
- 中には妊娠後期までつわりが続くケースもある
このように、つわりの時期は人それぞれです。「いつ終わるんだろう」と不安になるかもしれませんが、少しずつ楽になる時がきます。焦らず、自分のペースで過ごすことが大切です。
どんな症状があるの?私の体験談も紹介
つわりの症状はとても種類が多く、人によって出るものが違います。代表的な症状を知っておくことで、「これもつわりなんだ」と気づけるようになります。
わたし自身の体験では、こんな症状がありました。
お腹がすくと気持ち悪さがひどくなる
私は「食べつわり」でしたが、症状はそれほど重くありませんでした。
症状としては次のようなものもよく見られます。
- 吐くほどではないけどずっと気持ち悪い
- 食欲がなくなる
- 水すら飲みにくい
- 胃がムカムカして横になっていたくなる
- 頭痛や眠気が強くなることもある
どれもつらいものですが、体が赤ちゃんを守るために頑張っている証です。無理せず、休めるときにしっかり休みましょう。
どうして気持ち悪くなるの?つわりの原因
つわりが起きるのは、体の中でいくつもの変化が起こるからです。いちばんの理由は「ホルモンの変化」と言われています。
妊娠すると、体は赤ちゃんを育てる準備を始めます。そのときに出る「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンが、つわりの大きな原因と考えられています。
このホルモンの急な変化が、胃や脳に影響を与えて、吐き気や食欲不振を引き起こすのです。
他にも、
- においに敏感になるため、普段は気にならない香りで気持ち悪くなる
- 胃の動きがゆっくりになるため、食べたものがなかなか消化されない
- 心の不安やストレスがつわりを強くすることもある
といった理由がつわりにつながります。
つわりは「病気ではない」とされますが、毎日続くととてもつらく感じます。家族や周りの人にも協力してもらいながら、無理のない生活を心がけましょう。
妊娠初期のつわりを食事でやわらげる方法
妊娠初期のつわりはとてもつらいものですが、食事のとり方を工夫することで少し楽になることがあります。特に「どう食べるか」や「何を食べるか」がとても大切です。
体が受けつけやすい食べ方を知っておくことで、つわりのストレスをやわらげることができます。食事の工夫をすることで、毎日のつらさがかなり軽くなりました。
つわりがあるときに心がけたいポイントは以下のとおりです。
- 一度にたくさん食べようとしない
- においの強い料理を避ける
- 食べられるものだけでもOKと考える
- 水分も食事と一緒に少しずつとる
- 朝起きてすぐに口に入れられる軽食を準備する
このように、ちょっとした工夫で食べられるものが増えることもあります。完璧を目指さず、「自分に合った食べ方」を見つけることが一番大切です。
少しずつ何回も食べるのがコツ
つわりがつらい時期は、一度にたくさん食べるのが難しいことが多いです。そんなときは、「少しずつ何回も食べる」ことが大切になります。
実は、空腹になると余計に気持ち悪くなることがあります。だからこそ、こまめに食べ物を口に入れることで、つわりを軽くすることができます。
私も朝・昼・夜の3食だけでなく、間に軽い食べ物を何回も食べるようにしたところ、吐き気がずいぶん減りました。
たとえば、こんなふうにすると続けやすいです。
- 朝食前にクラッカーを2〜3枚食べる
- 昼食と夕食の間にバナナやヨーグルトを少し食べる
- 夜寝る前におにぎりを半分食べておく
- ポケットにアメやラムネを入れておく
このように、小さい量でもこまめに食べることで、体調が安定しやすくなります。「ちょこちょこ食べ」は、つわりを乗り切るコツのひとつです。
においが少ない食べ物を選ぼう
つわりのときに特につらいのが「におい」です。炊きたてのごはんや油で炒めた料理のにおいが、急にダメになる人も多くいます。
においに敏感になっているときは、なるべくにおいの少ない食べ物を選ぶことが大切です。食欲がなくても、においが気にならないだけで、少し口にできることがあります。
おすすめの食べ物は次のようなものです。
- 冷たいそうめんやうどん
- 果物(りんご、バナナ、みかんなど)
- コンビニのおにぎり(ツナマヨや梅が人気)
- ヨーグルトやゼリー
- 食パンやクラッカー
また、温かい物よりも冷たい物の方がにおいが少ないので、食べやすいことがあります。無理して調理せず、市販のものを上手に使って体を休めるのもひとつの方法です。
妊娠初期のつわりで匂いがつらいときの対策
妊娠初期のつわりの中でも、とくに困るのが「におい」による気持ち悪さです。ごはんを炊くにおいや洗剤の香りで気分が悪くなり方もいます。
においの原因をできるだけ減らしたり、他の香りでごまかしたりすることで、つらさをやわらげることができます。
匂いがつらい時の工夫は次の2つです。
- キッチンに立たずに食事を用意する方法
- マスクやアロマでにおいをブロックする方法
このように、においをうまく避けることで、つわりの負担がぐっと軽くなることがあります。つらいときは無理せず、できることから少しずつ試してみましょう。
キッチンに立てない時の工夫
つわりの時期、キッチンに立つだけで吐き気がすることがあります。火を使ったり、油のにおいがしたりすることで、気分が一気に悪くなってしまうことも少なくありません。
そんなときは、「料理をしないこと」を前提にした工夫が必要です。無理に頑張らなくても、食べるものは工夫次第で何とかなります。
少しでも楽に過ごせるためには、以下のような工夫です。
- 市販のおにぎりやサンドイッチを買っておく
- 火を使わない料理(冷ややっこ・カット野菜・果物)を選ぶ
- 家族に調理をお願いする、またはお惣菜を活用する
- 朝のうちに体調が良ければ作り置きを少し用意する
- 料理中は換気扇を回し、においがこもらないようにする
このように、「手を抜くこと=悪いこと」ではありません。体がしんどい時こそ、楽な方法を選ぶことが、赤ちゃんと自分を守ることにつながります。
マスク・アロマでにおいをブロック
においで気分が悪くなる場合、そのにおい自体を防ぐ工夫もとても効果的です。マスクや香りのアイテムを使うことで、苦手なにおいを少し和らげることができます。
家の中のにおいがどうしても気になったときに、マスクをつけたり、アロマで気分転換をしたりするといいでしょう。
におい対策として、おすすめなのは次のような方法です。
- 料理中や外出時にはマスクを着用してにおいを防ぐ
- マスクにハンカチで包んだレモンの皮や紅茶のティーバッグを入れる
- 部屋のすみに好みの香り(柑橘系やハーブ系)のアロマを置く
- 換気をしっかりして、空気をこまめに入れ替える
- 洗剤や柔軟剤を無香タイプに変える
香りは人によって好き嫌いがあるので、無理せず「これなら大丈夫」というものを選ぶことが大切です。つわりがある間だけでも、少しでも快適に過ごせる工夫をしていきましょう。
妊娠初期のつわりでもできる水分補給と休息法
こまめな水分が体を守る!飲み方のコツ
つわりで食事がとれないときでも、水分だけは意識してとるようにしましょう。水分不足になると、頭が痛くなったり、めまいがしたりすることもあります。
しかし、一度にたくさん飲もうとするとかえって気持ちが悪くなることがあります。だからこそ、「こまめに少しずつ」が大事なポイントです。
私が試して効果があった水分のとり方は、次のとおりです。
- 一気に飲まず、1〜2口ずつこまめに口にする
- 氷をなめたり、冷たい水をスプーンですくって飲む
- 朝起きたときと寝る前に少しずつ飲むように心がける
- ストローを使って飲むと、においが気になりにくい
- 飲める温度を見つけて、冷たいのがダメなときは常温にする
無理して飲もうとせず、「飲めるときに少しずつ」を意識することで、水分補給がずっと楽になります。
食べられない時のおすすめ飲み物
つわりがひどくて食べ物がほとんど受けつけられないときは、飲み物から栄養や水分をとるのがとても助けになります。飲み物は種類によって、においや味の強さが違うので、自分に合うものを探してみることが大切です。
特につわり中に飲みやいと言われているものは、次のようなものです。
- スポーツドリンク(塩分と糖分がほどよく入っている)
- 麦茶(においが少なく、カフェインも入っていない)
- フルーツ入りの水(レモンやりんごを少し入れると飲みやすくなる)
- 白湯(体を冷やさず、胃にもやさしい)
- ゼリータイプの飲料(少し甘くて、腹持ちもよい)
その日の体調によって飲めるものは変わるので、「昨日ダメだったから今日もダメ」と決めつけず、いろいろ試してみるのがおすすめです。
疲れたときに私がしていた休み方
妊娠初期は、何もしていなくても体が重く感じたり、すぐに疲れたりするものです。特につわりの時期は、体だけでなく心も疲れやすくなります。
「少し横になるだけでも楽になる」ことを、私はこの時期に身をもって知りました。
疲れたときに私が実際にしていた休み方をいくつかご紹介いたします。
- こまめに横になる(家事の合間や、少しでも気持ち悪くなったらすぐ休む)
- 照明を落として静かな音楽を流し、目を閉じて体をゆるめる
- クッションを背中や足の下に置いて、楽な姿勢を見つける
- スマートフォンは見すぎず、目を休める時間を作る
- 「頑張らなくてもいい日」と決めて、とことん自分を甘やかす
体と心をいたわることは、赤ちゃんのためにもとても大切です。休むことに罪悪感を持たず、「休むのも大事な仕事」と考えてみてください。
妊娠初期のつわりが重い時は医師に相談しよう
つわりは多くの妊婦さんが経験するものですが、なかには日常生活ができないほどつらくなる方もいらっしゃいます。そういった場合は、「我慢すれば大丈夫」と思わずに、早めに病院を受診することが大切です。
医師に相談することで、自分に合った方法や薬を提案してもらえることがあります。
以下では、病院に行く目安やついて詳しくご紹介いたします。
体重が減ったときは危険かも
妊娠初期に多少食べられなくても、赤ちゃんにはすぐには影響しないといわれています。しかし、体重が急に減ってしまった場合は注意が必要です。体の水分や栄養が足りなくなり、ママの体に大きな負担がかかるおそれがあります。
特に次のようなときは、病院に相談することをおすすめいたします。
- 1週間で2〜3キロ以上体重が減った
- 食べ物も飲み物もほとんど受けつけない
- 吐く回数が1日に何度もある
- トイレの回数が少なく、尿の色が濃い
このような状態が続くと、「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という病気に進んでしまうこともあります。無理をせず、「これはおかしいかも」と思った時点で医師に相談してみましょう。
水も飲めない時はすぐ病院へ
つわりがつらくても、水分だけは何とかとっておきたいところです。ですが、どうしても飲めない、飲んでも吐いてしまうという状態が続く場合は、すぐに病院に行くべきです。
水分が足りないと、体の中で次のような不調が起こります。
- 頭痛やめまいがする
- 口の中が乾く
- トイレにほとんど行かない
- 体がだるく、動けない
こういった状態は「脱水症状(だっすいしょうじょう)」と呼ばれ、放っておくと危険です。病院では点滴などで体に必要な水分を入れてもらえますので、無理せず頼ることが大切です。
「つわりだから仕方ない」と思いこまず、「飲めない=助けが必要」と考えるようにしてください。
妊娠初期のつわりは一人で悩まないで
妊娠初期のつわりは、体のつらさだけでなく、心の負担も大きくなりがちです。誰にも頼れず、ひとりで我慢してしまうと、気づかないうちに心も疲れてしまいます。
そこで大切なのが、「頼ること」「話すこと」「気持ちを外に出すこと」です。
家族や周りに助けを求めよう
妊娠中は、心も体も大きく変化しています。そのため、いつも通りに動けないのは当然です。にもかかわらず、すべてを一人でこなそうとすると、ますますつわりが悪化してしまうことがあります。
【家族にお願いすること例】
- 食事の支度や片付けを代わってもらう
- 洗濯や掃除をしばらくお休みする
- 買い物をまとめてお願いする
- 「体調どう?」と声をかけてもらうだけでも安心できる
つわりは一時的なものです。今は「頼っていい時期」だと、自分に許可を出してあげてください。
誰かに話すだけで心が軽くなる
つわりのつらさは見た目ではわかりにくいため、「ただのわがまま」「気のせい」と思われてしまうこともあります。それがさらに孤独感を強める原因になるのです。
そんな時は、信頼できる誰かに今の気持ちを話してみてください。
【話して心が軽くなる理由】
- 気持ちを言葉にすると頭の中が整理される
- 相手からの共感で「私だけじゃない」と思える
- 話すことでストレスが減り、心が安定する
言葉にするのが難しい時は、メモや日記に書くだけでも効果があります。自分の気持ちを閉じ込めず、少しだけでも外に出してみてください。
まとめ:つわり対策は「無理しない・頼る・工夫する」がカギ
妊娠初期のつわりは、想像以上に心も体も疲れるものです。ですが、正しい知識とちょっとした工夫で、少しでもラクに乗り越えることができます。
この記事でご紹介したつわり対策のポイントは、以下の通りです。
【妊娠初期のつわり対策まとめ】
- 食べられるものを少しずつこまめにとる
- においがつらい時は、マスクや換気で対策
- 水分はこまめにとり、炭酸やレモン水も活用
- 無理せず休む時間をつくる
- 心がしんどい時は、周りに頼る・話す・自分をねぎらう
あなたも、今はつらくても、かならず出口はあります。一人でがんばりすぎず、今日を乗り越えた自分をほめながら、ゆっくり歩いていきましょう。